大腸ポリープ切除
Colorectal polypectomy
Colorectal polypectomy
大腸内視鏡検査を行った際に大腸ポリープが見つかった場合、当院では同日に日帰り切除を行っています。入院の必要がなく、患者さんの負担を大幅に減らすことができます。
施設により、大腸内視鏡検査のみを行い、ポリープが認められた場合は、切除できる病院に紹介、もしくはポリープの病理組織検査のみを行い紹介、などがあります。この場合、患者様は再度大腸内視鏡を行う必要があります。つまり、2回下剤を飲まなくてはならない状況になりますが、当院では基本『あったらポリープ切除』のため一度の下剤の内服で済みます(しかしながら、後述しますが、1cm以上のポリープや数によっては再度大腸内視鏡を受けて頂くことになります)。
大腸ポリープは、ポリープを形成する細胞によって、『腺腫性ポリープ』・『過形成性ポリープ』・『炎症性ポリープ』に大きく分けられます。治療が必要なポリープは腺腫性ポリープと1cm前後以上の過形成性ポリープとされています。
これらのポリープは大きくなるとがん化すると考えられており、目安として、ポリープの大きさが5mm以上まで育ったものは内視鏡的切除が勧められます(5mm程度の大きさでもがん化が認められることがあるため)。
当院では、1cmまでのポリープはその場で切除致します。5mm以下の微小なポリープも可能な限り切除し、クリーンコロン(正常大腸)を目指します。
必要に応じて、切除した箇所からの出血や穿孔(穴があくこと)を予防するため、クリップによる閉創(切除した切り口を塞ぐこと)をすることがあります。
1cm以上のポリープは、患者様が希望する病院へ紹介させて頂き、入院しての切除となります。
多数のポリープがある場合は、一度にすべてのポリープを切除できないことがあります。大腸ポリープを切除した場合の費用は、(3割負担の場合)1.5万~3万円程度となります。ポリープの数・部位・大きさ・切除方法などにより費用が変わります。100~200人に1人の確率で、切除後1~2週間以内に切除後出血による血便が起こることがあります。出血した場合は、当院にて再度内視鏡を挿入して、クリップによる閉創などの止血術を施行させて頂くことがございます。
所要時間は検査・切除全体で15~30分程度ですが、ポリープの場所・数・大きさなどによって所要時間は変わります。大腸の粘膜面には知覚神経がないので、ポリープを切る時には痛みは感じません。切除しやすいようにより良い位置で切除を行うために内視鏡をひねったりする場合があり、一時的におなかが張ることはあります。
大腸ポリープ切除の方法として、当院では『コールドスネアポリペクトミー』というポリープを焼灼せずに、スネアという特殊な器具を広げてポリープにかけてから絞扼して切除する方法を施行しております。この方法は従来施行されてきた焼灼という熱が加わることによる術後の出血や穿孔(腸に穴があくこと)のリスクが少なく、広く行われるようになってきております。 しかしながら、欠点もあり1cm以上のポリープに関しては切除が不可能です。
そのため、1cm以上のポリープに関しては、術後の出血や穿孔のリスクもあるため、入院施設がある病院に紹介させて頂いております。
この『コールドスネアポリペクトミー』により、従来の焼灼切除後と比べ、患者様の生活環境にも変化をきたしております。以前は、『2週間は入浴、海外や遠方などの出張や旅行、激しい運動、アルコールは控えてください』と話しておりましたが、個人差はあると言え、2~5日での制限でよくなり、忙しい方にも安心して切除を受けて頂くことが可能となりました。
当院では、2024年4月1日より、大腸ポリープ切除術をより安全に行えるよう、短期滞在手術等基本料1の施設基準を取得いたしました。
この基準は大腸ポリープ切除術などの日帰り手術において、適切な人員配置・施設や医療設備の充実度・緊急時の対応などにおいて、一定以上の質を確保することが求められているものであり、当院では上記の基準を満たしているため行政より正式に認定をいただきました。
この結果、大腸ポリープ日帰り手術を施行実施した際には基本料金の加算が適用となります。
これにより手術当日の患者様の負担額は増えますが、その背景には内視鏡室や回復室での手術あるいは手術後の安全性を高めるための取り組みがあります。
スタッフ一同これまで以上に安全で安心な内視鏡検査を皆様に提供してまいりますので、ご理解ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。
※内視鏡検査のみの場合は、加算はございません。